「住めない日本」を変える挑戦。オークハウス×留学エージェントの最前線
法人事例/大規模シェアハウス
2025年08月15日
2023年より、KOKOJAPANを介して日本に来日された、外国人留学生へ、オークハウスのシェアハウスをご紹介いただいております。
今回はその利用の経緯や感想について、中野さんにお話をうかがいました。

株式会社KOKO JAPAN
代表取締役 中野 将太氏
起業への第一歩、留学エージェント時代の気づき
中野さん:もともと私は、2015年から約5年間、オーストラリア・メルボルンで日本人向けの留学エージェントとして働いていました。職場にはさまざまな国籍のスタッフが在籍しており、特に中南米出身の同僚やお客様と接する機会が多かったです。
2018年頃から、対応していたお客様から「オーストラリアの次は日本に留学したい」という相談を受けることが増えていきました。
そうした相談の中で日本への留学について調べ始めたのですが、当時の日本は中国や韓国からの留学生向けサポートは充実していた一方で、北中南米地域の方々に向けた情報や支援が非常に乏しく、情報提供にとても苦労しました。
実際に、北中南米地域の方々との交流を通じて、彼らが抱える留学の課題を深く理解するとともに、一人ひとりに寄り添ったサポートが必要だと強く感じるようになりました。
こうした背景から、情報や支援が限られている地域のためのサポート体制を整えた会社を立ち上げたいと考えるようになりました。

コロナ禍をチャンスに。日本で起業へ
将来的な起業の構想を練っていた矢先に発生したのが、新型コロナウイルスによるパンデミックでした。
国の行き来が制限され、日本も実質的に鎖国状態に。多くのエージェントが動きを止める中、中野さんは「今こそ準備に集中すべきタイミング」と捉え、日本へ帰国。隔離期間が明けるとすぐに開業届を提出し、事業の立ち上げに踏み切りました。
その後は毎日のようにSNSで情報を発信し、ウェビナーでの説明会も重ねていく中で、特にTikTokが注目を集めたことにより、認知度が一気に拡大しました。
会社を立ち上げた当初は、英語圏やヨーロッパ圏の留学生も対象としていましたが、大手エージェントとの差別化の難しさを感じる場面も多かったといいます。
そんな中、2023年頃からは「北中南米に特化した専門性」にこそ自分たちの強みがあると再認識しました。これまでの経験や事業をサポートしてくれていたメキシコ人スタッフのサポートもあり、北中南米出身者のニーズや文化を十分に把握することで、大手との差別化を実現。以降は北中南米地域を中心に支援を展開しています。
日本と留学希望者をつなぐ、個々に寄り添うKOKO JAPANのサポート
KOKO JAPANの社名は、「個々(ひとりひとり)」と「ここ(日本)」という言葉を組み合わせ、「一人ひとりに寄り添い、ここ日本でサポートを提供する」という想いを込めて名付けられました。同社は、日本への留学希望者に対し、学校選びの段階から願書の作成、ビザ申請のサポートまで、ワンストップで支援しています。希望者一人ひとりの目的や背景に応じて、最適な学校をご紹介することを大切にしています。
現在、留学生の多くはメキシコからの希望者が中心で、次いでアメリカ(特にスペイン語話者の多いカリフォルニア州)、チリ、コロンビア、アルゼンチンといった国々からのご相談が増えています。
現地の希望者がリアルタイムで相談できるように、メキシコで信頼できるスタッフとチームを組み、迅速かつ柔軟に対応できる体制を整えています。
KOKO JAPANがオークハウスとの提携を始めたのは2023年のこと。その頃は、日本への留学を希望する学生に紹介できる住居の選択肢がまだ限られており、その対応に頭を悩ませていたといいます。
そんな中で出会ったのが、シェアハウスの事業を展開する「オークハウス」でした。

外国人留学生ならではの住まいの壁
中野さん:オークハウスの良いところは、関東圏だけでなく関西圏にも物件を展開しており、条件に適した部屋を見つけやすいという安心感があるところです。物件の選択肢が多いことは、紹介をスムーズに進めるうえでも非常に助かっています。
他社のシェアハウスでは、物件数が少なかったり、特定エリアにしか物件がなかったりと、希望に合う紹介が難しい場合が多くあります。
日本留学の準備には、学校への申請からvisaの取得まで半年~1年を要します。visaが下りるのは渡航の約2ヶ月前になるため、住まいの手配もぎりぎりになってしまうことが多く、航空券の予約さえ直前になるケースも少なくありません。渡航前のオリエンテーションの際にvisaの次のステップが住まい探しであることを案内し、そのタイミングでオークハウスを紹介しています。
そもそも、外国人留学生が日本で住まいを探す際には、言語の壁や外国人NGの物件、敷金・礼金など日本独自の初期費用の高さといった、文化的な違いによるハードルが多く存在します。そうした中で、敷金・礼金・保証人が不要で、外国人の入居も比較的スムーズなオークハウスのような存在は、留学生にとって大きな価値があると感じています。
実際にシェアハウスを利用した留学生からは、「友達ができて楽しかった」「人との交流があって安心できた」といったポジティブな声が多く寄せられています。シェアハウスという住まい方が、慣れない土地で不安を抱える留学生にとって、安心感と充実感をもたらしていると実感しています。私自身も、オークハウスを紹介して本当に良かったと感じる場面が多くあります。

今後の展望。成長著しいメキシコ市場への期待
今後の展望として、KOKO JAPANでは北中南米地域を中心に、日本への留学を希望する人々へのサポートをさらに拡充していく考えです。
2025年6月には、同社主催による初の日本留学フェアをメキシコシティで開催し、日本からは日本語学校6校が参加しました・
こちらのイベントは約1,000名の来場者を迎える大規模なイベントとなりました。
参加した教育機関からは「これほどニーズがあるとは思わなかった」といった驚きの声が寄せられるなど、大きな反響があったといいます。
この成功を受け、次回はさらに大きな会場で、より多くの学校や来場者を迎えられるよう、すでに準備が進められています。
中野さん:北中南米エリアの中でも特にメキシコは平均年齢が28〜29歳と若く、今後も成長が期待されるマーケットです。現地の日本大使館にもイベントの告知に協力してもらうなど、徐々に認知度と信頼が広がってきているのを実感しています。
こうした手応えを背景に、今後はさらにこの勢いを活かし、メキシコをはじめとした北中南米地域の若い世代に向けて、より丁寧で的確なサポートを届けていきたいと思っています。
株式会社KOKO JAPAN
【会社概要】
本社:〒160-0022 東京都新宿区新宿5-15-14
代表者:代表取締役 中野 将太
法人設立:2023年9月
資本金:500万円
従業員数:8名(アルバイト含む)
事業内容:
・日本語学校・専門学校・大学等への留学紹介
・シェアハウス、SIMカード、生活サポートの紹介
・留学生向けの国際交流イベントの企画運営
対応言語:英語・スペイン語・日本語
提携教育機関数:全国27校(日本語学校・専門学校・大学含む)
株式会社KOKO JAPANのホームページ
https://koko-japan.com
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