パソナの国家戦略特区(家事支援外国人受入)事業にシェアハウスで協働

法人事例/大規模シェアハウス

2017年09月27日

 株式会社パソナは、フィリピンの人材サービス大手マグサイサイグローバルサービスと提携し、2016年7月、他社に先駆け、国家戦略特区の神奈川県でハウスキーピングサービス「クラシニティ」を開始しました。2017年2月には東京都で事業者として認められ、サービスを開始しました。

 オークハウスでは、フィリピンから招へいするハウスキーピング専門スタッフの住居についてパソナ様よりご相談いただき、約2年の歳月をかけ、共に受け入れ準備を進めました。2017年3月、第1陣の25名を神奈川県のシェアハウスに迎え、現在、第2陣の来日を前に東京都で新たなシェアハウスの準備を進めております。

 今回は、パソナでこの新規事業を立ち上げられたおふたりにお話をうかがいました。

営業総本部 クラシニティ部 副部長 澤藤真紀子さん【右】
立ち上げ時より「クラシニティ」事業に携わる山田良子さん【左】

日本国政府にとっても、フィリピン政府にとっても初の試み 国内他社に先駆けて、外国人の家事代行サービスを開始

山田さん 「2015年7月、改正国家戦略特区法が成立し、『家事代行(ハウスキーピング)』における外国人就労が、大阪市と神奈川県、東京都で認められることになりました。
 パソナグループは「女性の再就職を応援したい」という想いから1976年に創業し、以来、人材派遣や教育研修、企業内保育所の運営など、様々な事業を通じて女性の就労とキャリア形成を支援してきました。また、パソナでは外国籍人材の就労支援を、グループ会社のパソナライフケアでは家事代行サービスを行っています。それらのノウハウを活かし、海外からハウスキーピングスタッフを受け入れる準備を進めました。
この度の国家戦略特区における家事代行サービス「クラシニティ」を通じて、共働き世帯の家事負担の軽減に貢献し、主に働きたいと願う女性の更なる社会進出を支援したいと考えております」

澤藤さん「日本とフィリピン、両国の政府にとってはじめての事業ですので、制度が確立するまでに約2年を要しました。両国政府とフィリピンのパートナー会社と密に連携を取りながら、ひとつずつスキームを作っていく点が最大の課題だったと思います。また、来日したハウスキーピングスタッフには、継続的な研修プログラムとキャリアコンサルティングを実施し、キャリアアップを支援していきたいと考えています」

来日するフィリピン人スタッフが快適に暮らせる住居を検討 すべての条件を満たしたオークハウスのシェアハウス

山田さん「来日するフィリピン人スタッフの住宅について、まずは寮タイプの物件を検討しました。これは、何度かフィリピンを訪ねるうち、グループ単位で暮らす方が多いことを知ったからです。初めて日本を訪れるスタッフも多かったため、安心して生活できる環境を用意することも私たちの責任でした。ただ、ここで課題となったのが「食」の問題です。日本に滞在して働くことを考えると、慣れ親しんだ母国の料理を自分たちで作って食べることが大切だと考えました。もともと寮だった物件のキッチンは、業務用で少人数での調理には向きません。これをリノベーションするとなると、かなりのコストがかかります。寮を建てることも検討しましたが、現行の制度では3年で帰国するため、物件を所有するより賃貸が理想的でした。また、スタッフには日本人スタッフと同等の賃金が払われますが、賃貸料はご自身で払うことになります。賃貸料が高すぎると負担になる、という課題もありました。そこで、シェアハウス型が住みやすいのではないかと考え、日本のシェアハウスの草分けであるオークハウスさんにご相談しました。運営されているシェアハウスを拝見して、すぐにここだと感じました」

山田さん「寮を探す際に心配したのは、近隣との関係、それから、外国人女性が20名以上暮らすにあたっての安全性です。オークハウスさんの場合、これまでにも多くの外国人の方が住む集合住宅を運営してきた実績がおありですし、近隣の方ともコミュニケーションをとっていらっしゃると聞きました。また、それぞれのシェアハウスを担当する管理スタッフがいらっしゃるので、当社とともに安全面でも目が行き届くという安心感がありました」

発足時より「クラシニティ」に携わってきた山田さんは現在産休中だが、取材の際、駆けつけてくださった。サービス開始当初より、自身も「クラシニティ」のサービスを利用しており、完璧なプロのお掃除を経験すると、それを手放すことはもう考えられないという

Wi-Fiが使える個室と、みんなで話しながら料理できる共用スペース 部屋に案内した瞬間、感動で涙ぐむスタッフも

澤藤さん「3LDKを1ユニットとして、5ユニットをお借りしました。各ユニットは、家具付きの個室3室と、共用部分(キッチン・浴室・洗面室)というプランになっています。最初に部屋に案内した時は、綺麗な住居に感動して泣きそうになるスタッフもいました。満足度は非常に高いです。ホームシックになる心配をしていたのですが、家族とはインターネットを活用して連絡が取れるため、今はまったくないようです」

山田さん「来日しているスタッフは、海外で1年以上の家事代行経験がある方に限られ、シンガポールや香港、中東で経験を積んできています。しかし、海外での家事代行の場合は、クライアントと同居しサービス提供するスタイルがほとんどでした。水廻りを使う際も雇用主の方に気を遣う等、オンとオフの区別がない生活をしてきたそうです。日本に来て、自分用の部屋があることが本当に嬉しいと言っています」

澤藤さん「家族との絆を大事にするフィリピン人にとって、Wi-Fiは我々が思う以上に重要なようです。プライベートスペースでWi-Fiが使えるので、いつでも母国の家族と会話することができます。また共用スペースでは、その日にあったことを仲間と話しながら、母国の料理を作ることができます。建物内には共用のラウンジもあるので、そこで日本語の勉強をしたりしているようです。充実した日本ライフを楽しんでいらっしゃいます」

ご自身もお子様2人の子育てとお母様の介護、ダブルケアの経験を持つ澤藤さん。その実体験から、家事をアウトソーシングすることで、女性がキャリアを諦める必要がないことを社会に提言していきたいと語る

自社独自の入国オリエンテーションを設計 オークハウスのノウハウを活かした入居レクチャーに助けられました

山田さん「フィリピンでの研修や入国オリエンテーションは全てパソナ独自のカリキュラムです。プロジェクト発足当初に採用したフィリピン人スタッフとともに、フィリピン人が初めて日本で暮らすことになったら、何を知る必要があるかを洗い出し、作成しました」

澤藤さん「フィリピンで採用したスタッフには、来日前に約400時間の研修を実施していますが、日本に住み始めてからも約1ヶ月半の研修をしました。本人たちが暮らす街で実施する必要のある研修もあります。近隣にどんな生活施設があるのか、電車にどうやって乗るのかをはじめ、消防署の方に来ていただいて緊急時の対応も研修を行いました。お客様のご要望に応じて買い物をすることもありますので、スーパーで買い物をして、領収書をもらって、おつりを封筒に入れて返す、という一連の流れについても何度も繰り返し練習します。日本の物価を理解するために、1週間の生活費として1ユニットにつき決まった金額を渡し、計画的に生活してみる研修等も行っています」

澤藤さん「入居時にオークハウスさんからゴミの分別の仕方、日本での住まいの住み方などをレクチャーいただけたのは、本当にありがたかったです。仮に、当社が物件を借り上げていたとしたら、このレクチャーや建物内に貼る英語の文書なども当社で用意することになったはずですが、オークハウスさんにおまかせできる点が非常に助かりました」

予想しないことも起こる事業立ち上げ 柔軟に、迅速に対応してくれるオークハウスの伴走が心強かった

澤藤さん「当社にとっても初めての事業でしたので、オークハウスさんがいつでも臨機応変に対応してくださったことがなによりありがたかったです。実は、国の制度設計やVISA発行などに予想以上の時間がかかり、入居時期が約1年遅れました。その間、当社の新人研修の宿泊施設として使わせていただくなど、柔軟に対応いただきました。当初5ユニットをスタッフの住居にする予定でしたが、1ユニットを当社のオフィスとして使わせていただくことになり、その際も、セキュリティを高める工事等にご対応いただきました。おかげで、スタッフの暮らしに寄り添うこまやかなマネジメントが可能になりました。担当の方がいつも親切に迅速にご対応くださって、ここまで伴走してくださる会社はなかなかないと思います」

山田さん「通常、一旦物件を借りると、当社がすべて管理しなければならないのですが、オークハウスさんの場合、相談させていただいて、できることをアドバイスしてくださるので、とてもありがたいです。外国人の住居をサポートするノウハウを蓄積されているので、当社にはない発想でご提案いただくことも多く、心強かったです」

幅広いユーザーから高い評価を受け、今後もスタッフを増強 東京都で、第2弾のスタッフ居住用シェアハウスを準備中

澤藤さん「家庭の家事負担を軽減することで女性のさらなる社会進出を推進するサービスとして、共働き家庭を主要なターゲットと想定していたのですが、実際には、シニアの方や日本に赴任されている外国人の方など、幅広い層にご利用いただいています。スタッフの仕事における質の高さをご評価いただき、一度利用されたお客様が継続してサービスをご利用くださるケースが増えています。今後、さらに多くのスタッフを招へいする予定で、今は2棟目のシェアハウスをご準備いただいているところです」

来日したフィリピン人スタッフ(寮にて)

パソナ本社ビルにて、2017年7月取材にご協力いただきました。

会社概要

株式会社パソナ (Pasona Inc.)
所在地/JOB HUB SQUARE 〒100-8228 東京都千代田区大手町2-6-2
創業/1976年2月16日 設立/1988年4月14日 資本金/1億円
代表者/代表取締役会長CEO 南部 靖之 代表取締役社長COO 佐藤 司
グループ事業内容/エキスパートサービス(人材派遣)、インソーシング(委託・請負)、HRコンサルティング、教育・研修、その他、グローバルソーシング(海外人材サービス)、キャリアソリューション(人材紹介、再就職支援)、アウトソーシング、ライフソリューション、パブリックソリューション
許可番号/人材派遣業 派 13-304674  人材紹介業 13-ユ-010444

パソナのホームページ
www.pasona.co.jp
クラシニティのホームページ
www.kurashinity.com/

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